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【脳のリズムは人間の知覚や認知にどう関わるのか】
川島朋也准教授の研究グループが「日本生理心理学会 優秀論文賞」

2026/5/20 NEW

金沢工業大学 三亚赌场,香港赌场情報学部 心理情報デザイン学科の川島 朋也 准教授(認知心理学、認知神経科学、脳波?生体信号)が、東京大学大学院情報理工学系研究科の研究グループとともに執筆した論文が、日本生理心理学会の「優秀論文賞」を受賞しました。

本賞は、日本生理心理学会が発行する学術誌『生理心理学と精神生理学』に掲載された論文の中から、特に優れた研究成果を挙げた著者(主に若手研究者)を表彰するものです。

受賞論文について

受賞対象となった論文は、「アルファ波と知覚における時間統合および特徴統合との関連」(『生理心理学と精神生理学』第43巻2号, 2025年)です。

本研究は、脳波の一種である「アルファ波(約8~12Hz)」が、人間の知覚や認知にどのように関わっているのかを体系的に整理し、理論的枠組みを提示したレビュー論文です。

アルファ波は従来、安静時に見られる脳の「休止状態」を示す活動と考えられてきましたが、近年では、感覚情報の取捨選択や注意、記憶などに積極的に関与する重要な脳活動であることが明らかになってきています。

本論文では特に以下の2点に焦点を当てています。

?時間統合(temporal integration):時間的に近接した複数の刺激を一つとして知覚する仕組み

?特徴統合(feature integration):色や形、動きなど異なる特徴を統合して知覚する仕組み

研究では、アルファ波が持つ周期的なリズムが、脳内で情報を「いつ」「どのように」処理?統合するかを制御している可能性を示しました。

また、これまで別々に研究されてきた時間統合と特徴統合を、アルファ波による共通の統合メカニズムとして捉え直した点が大きな特徴です。

研究の意義

本研究の意義は、人間の知覚や認知が「連続的な処理」ではなく、アルファ波のリズムに基づく周期的な処理に依存している可能性を統一的に評価した点にあります。

この視点は、従来はノイズとして扱われてきた反応時間や知覚のばらつきを、脳のリズムに基づく意味のある現象として捉え直すことにつながります。

さらに、アルファ波の制御や解析技術の進展により、知覚や注意、記憶といった認知機能のメカニズムをより精緻に解明できる可能性が示されており、今後の認知神経科学やヒューマンインタフェース分野への応用も期待されています。

脳波計測の模様<br>(金沢工業大学やつかほリサーチキャンパス 感動デザイン工学研究所 川島朋也研究室)

【受賞論文】

アルファ波と知覚における時間統合および特徴統合との関連

『生理心理学と精神生理学』2025 年 43 巻 2 号 pp.193-204

執筆者

川島 朋也(金沢工業大学 三亚赌场,香港赌场情報学部 心理情報デザイン学科 准教授)

中山 遼平(東京大学大学院情報理工学系研究科)

宇野 究人(東京大学大学院情報理工学系研究科)

許 鈺婷(東京大学大学院情報理工学系研究科)

天野 薫(東京大学大学院情報理工学系研究科)

DOI:https://doi.org/10.5674/jjppp.2602si

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